AIで「ながら運転」を見逃さない! 〜運送業の安全管理を革新する画像解析技術〜

プロジェクトの目的
課題:トラックドライバーの「ながら運転」
近年、運送業界では「ながら運転」(スマートフォンを操作しながら運転する行為)が大きな問題となっています。
このような危険運転が原因で、事故のリスクが増加し、企業の安全管理責任も問われる状況になっています。
しかし、ながら運転の監視には次のような課題がありました。
🔹 目視チェックの限界 → ドライブレコーダーの映像を全て人が確認するのは膨大な手間
🔹 管理の難しさ → 個人携帯の場合、強制的に管理アプリを入れる等ができず全ドライバーの管理が現実的に困難
🔹 ドライバーへの抑止効果が弱い → 確認の抜け漏れがあり、監視体制にムラがある
この問題を解決するために、画像AIを活用した「ながら運転」検知システムの検証を行いました。
プロジェクトのポイント
当社では、ドライブレコーダーの映像からAIが自動でスマートフォンを検出する技術の検証を実施しました。
検証の流れ
検証結果:ながらスマホをAIが検知


<検出結果(テスト画像17枚)>
検出漏れが無く、スマホを全て検出できた!
※検出漏れ:NG(スマホ)を見逃してしまうこと
過検出:OK箇所を間違ってNGと判定してしまうこと
AIによる画像解析の結果…
- スマートフォンの検出がもれなく可能であることを確認
- 人手をかけずに、ながら運転を検知できる可能性を実証
-
スマートフォン以外にシートベルトの装着有無や、運転中の喫煙等も検出できる可能性がある
※AIには画像の中に特徴があれば学習させることができるため
この技術を活用すれば、膨大な映像をAIが自動で解析し、「ながら運転」を即座に発見できるようになります。
結果として、事故防止対策の強化やドライバーの意識向上につながると考えられます。
活用方法

トラックに搭載されたドライブレコーダーの映像を本部に転送し、
抜き打ちで一部の映像を抽出し、AIがスマートフォンの使用を検知。
- ドライブレコーダーの映像を定期的に回収
- AIがスマホ操作を自動検出
- 違反が確認された場合、ドライバーに指導
仕組みにより、効果的にドライバーのながら運転を抑制できます。
想定効果
抜き打ち検査を実施することで、ながら運転の抑止力を高めるとともに、
安全運転管理の強化により以下の効果が期待できます。
- 交通事故リスク低減
- ドライバーの安全意識の向上、法令遵守の促進